広島県においても新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に対して不要不急の外出自粛要請が発動されております。まだ呉市では感染患者の報告は少数ですが全国的な感染の広がりの経過から感染のリスクは上昇していると捉えております。
先日も院内での対策を紹介させていただきましたが、病院環境の安全のためにより徹底した対応をとる時期と判断しております。
現時点では飼い主様に以下の3点についてお願いさせて頂きます。
①受付後は院内ではなく呼び出しまでは車や自宅で待機をお願いします
②飛沫の抑制対策をお願いします
③院内・診察室には必要最小限の人数でお入りください
①当院では受付・待ち順番システムを導入しております。来院されましたらまずは飼い主様のみで受付前のパッドで受付けを済まし、要件をお伝えください。その際には「電話で呼び出し・メールで呼び出し」を選択して連絡のつく番号を入力してください。順番になりましたらお知らせいたします。また、携帯電話(ホームページ)からも受付が可能ですので受付をしていただき順番が近くになるまで自宅で待機されて頂くことをお勧めします。
②飛沫の抑制は感染防御において最重要と考えております。マスクは予防的には意味がない(ウイルスは透過できる)とされていますが、会話・くしゃみ等で生じる飛沫の抑制には大変効果があります。現在マスク不足も深刻ですが、手作りマスクの使用や手ぬぐい・タオルで口元・鼻を覆うことでも十分効果的です。
③新型コロナウイルスの感染力は強く、クラスター感染のリスクがあります。待合、診察室には必要最小限の人数でお入りください。また、体調不良(とくに発熱・くしゃみ・咳)がある場合は来院はお控えお願いします。
ご不便をかけることになりますが、「三密状態」や「飛沫感染」を抑制するためにご協力ください。また上記について院長・スタッフから直接要望をお伝えさせて頂くこともあると思いますがご容赦ください。
流行や診察の状況によって、さらに厳しい管理(完全予約制・飼い主様の院内入室制限・診察内容の制限)が必要になるかもしれません。その状況に合わせてアナウンスさせていただきます。
ここからは一人の獣医師としての私の考えと思いをお伝えします。
新型コロナウイルス感染症は現状決定的な予防(ワクチン)が確立されていません。また軽症状・無症状の感染者からの感染拡大が問題となっています。誰でも知らないうちに感染していることがあるということです。
ではどうするか?
①感染を防御する行動:三密になる状況に行くことを避ける。手洗い・うがいを頻繁にする。汚れた手で目をこすらない、口を触らない。
②感染を広げない行動:三密になる状況に行くことを避ける。飛沫を発生させない(マスク等を着用する)
①は自分を守る行動、②は他人を守る行動です。①をいくら頑張っていても無自覚な感染者が②の行動をとらないといつかは破綻が来てしまいます。自分が感染してなかったとしても「感染しているかもしれない」という意識で行動すれば感染の拡大の抑制に効果的なのは間違いないです。
動物病院は命ある家族(ペット)の健康を守るために必要な仕事です。そのため現在東京の状況でも活動できています(イギリスの様にロックダウンされている状況でも開いているようです)。当院も可能な限りの診療活動は継続していくつもりです。
一方、様々な職業の中でも獣医師は感染のリスクが高い職業であるというデータも示されています。またスタッフも問診や支払いで近接した距離感でやり取りをする業務を行っております。また各自日常生活を送っております。
つまりいつ私やスタッフが感染しても(させても)おかしくない状況になっているものと認識していますし、そうなった場合にどうするかは常に考えている状況です。病院に関しては感染した場合にはしばらく閉院ということにならざるを得ないです。もしそうなって患者さんにご迷惑かけることになりましたらすいません。今のうちに謝っておきます。
通常の生活・社会活動をしていても感染してしまうことは仕方ないことだと思います。感染したことで差別されたり批判されたりすることは不当であり、引け目を感じる必要はないです(明らかに危機感ない行動をしていない限りは)。私も、もし感染してもそれについては謝りません。ですが感染を広げない努力をしないのは間違っていると思います。間違った行動で本来救われるはずの命・社会が失われるのはしのびないです。
皆様にもぜひ「感染しない努力」とともに「感染させない」思いやりをもってこの新型コロナ禍を乗り越えていくことにご協力いただけると幸いです。
玉原 智史 獣医師・獣医学博士
追記:2020.7.31 広島県のコロナ対策取組宣言店に申請しました。日々環境を整えるよう努力していきます。